8月24日(日) 10:00~10:50

白色系のレジン用キャラクタライズ材によるCAD-CAMレジンブロックの色彩学的変化

鈴木 雅也,宮野 侑子

日本歯科大学新潟生命歯学部歯科保存学第2講座

Ⅰ.目的

 白色系のレジン用キャラクタライズ材(以下,着色材)は、ホワイトスポットや白色帯などの天然歯にみられる白色系の特徴の再現に応用される。しかし,この白色系着色材が修復材料の色彩に与える具体的な影響や,その変化量の定量的評価は十分ではない。本研究では,白色系着色材がCAD-CAMレジンブロック(以下,CRB)の色彩に与える影響を評価した。

Ⅱ.材料および方法

 着色材は,Nu:leコート(ホワイト:以下,NLW,Yamakin),ナノコート カラー(ホワイト:以下,NCW,インテンシブ ホワイト:以下,NCI,GC)の3種類とした。CRB(Cerasmart Prime シェードA3LT,GC)を切断後,SiCペーパー#600~2,000まで研磨を行い,厚さ3 mmの試料を作製した。次に,試料の片面に着色材を5回まで重ねて塗布した。1回の塗布ごとに光重合を行い,白色標準版上で測色(VITA Easyshade V,VITA Zahnfabrik)した(n=10)。得られたL*a*b*値からΔL*,Δa*,Δb*,ΔE*abを算出した。また,塗布なしと5回塗布後の試料は,黒色と白色板の背景で得られた測色値からTranslucency Parameter(以下,TP)値を算出した。得られたデータは,一元配置分散分析(one-way ANOVA)とTukey’s post hoc testで統計学的に分析した(α=0.05)。

Ⅲ.結果と考察

 着色材の塗布前と5回塗布後のΔL*は[以下,平均値(標準偏差)],NLW:-5.0(1.3),NCW:-15.2(1.6),NCI:-8.1(1.5),Δa*は,NLW:0.6(0.0),NCW:1.3(0.1),NCI:0.8(0.2),Δb*は,NLW:-2.5(0.7),NCW:-4.4(1.3),NCI:-0.6(0.6),ΔE*abは,NLW:5.6(1.4),NCW:15.9 (1.6),NCI:8.2 (1.5)で,項目ごとにすべての実験群間に統計学的有意差を認めた。すべての着色材でL*値とb*値の低下,a*値の上昇がみられた。TP値は,CRB:65.2(6.3),NLW:35.8(6.9),NCW:48.9(6.4),NCI:44.7(6.1)で,CRBとNLW間,CRBとNCI間に有意差を認めた。肉眼で白色変化が明確な群ほど,L*値は低下し,TP値の変化が少なかった。

Ⅳ.結論

 3種類の白色系着色材は,いずれもCRBに対して類似した色調変化の傾向(暗化,赤化,青化)を示したが,変化の程度は製品間で差が認められた。また,塗布により透明性の低下が観察された。

大会事務局

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