8月24日(日) 10:00~10:50
歯科医師国家試験対策講義におけるスライドの視認性評価
日下部 修介1),市村 葉2),石榑 大嗣1),奥山 克史1),堀田 正人3)
1) 朝日大学歯学部口腔機能修復学講座 歯科保存学分野 歯冠修復学,2) 明海大学歯学部機能保存回復学講座 保存治療学分野,3) 朝日大学
Ⅰ.目的
歯科医師国家試験対策講義では、短期間で多量の情報を効率的に理解する必要があり、理解力、集中力、学習効果などを高めるスライドデザインの色彩も考慮した工夫が必要と考えられる。しかし、講義スライドの配色や強調方法が学習者に与える影響については、十分に検討されていない。
本研究では、スライドの視認性に関する学習者の主観的評価を通じて、効果的な講義スライドデザインについて検討した。
Ⅱ.材料および方法
対象は、朝日大学および明海大学の歯学部6年生と2025年3月に歯科医師国家試験に合格した臨床研修医97名である。Googleフォームを用いて匿名形式で調査を行い、回答を収集した。
評価項目は、スライドの配色(白・グレー・クリーム背景×黒文字,黒背景・青背景×白文字)、白背景における強調色の視認性、適切な強調色選好、強調色の使用方法、効果的な強調方法に関する選択・項目について回答を求めた。
Ⅲ.結果と考察
スライド配色は、「白背景 × 黒文字」が最も見やすいと評価され、視認性や集中しやすさの観点からも高い支持を得た。
強調色では「赤」が最も高評価であったが、「青」や「黄色マーカー」も比較的見やすいとの回答が得られた。強調色の使用に関しては、「強調内容により2~3色を使い分ける」が最も支持され、「1色のみ」や「太字・下線のみ」も一定の支持が得られた。
強調方法は「キーワードのみ色を変える」方法が最も効果的との評価が多く、文章全体の色で強調する方法は支持が少なかった。
Ⅳ.結論
国家試験対策講義における効果的なスライドは、「白背景×黒文字」の配色が最適と考えられる。
また、強調には「赤」「青」などの色を内容に応じて適切に使用することが望ましく、特にキーワードへの限定的な強調が学習者に有効である可能性が示唆された。
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