6月27日(日) 10:30~

コンポジットレジン・ユニバーサル色のカメレオン効果に関する色彩学的評価

新海 航一1,2),大野 寛2)、高橋 天佑2),山口 耀平2),鈴木 雅也1)

1) 日本歯科大学新潟生命歯学部歯科保存学第2講座
2) 日本歯科大学大学院新潟生命歯学研究科硬組織機能治療学

Chromatic evaluation regarding the chameleon effect of universal shade resin composite
Shinkai Koichi1,2), Oono Hiroshi2), Takahashi Tenyu2), Yamaguchi Youhei2), Suzuki Masaya1)
1) Department of Operative Dentistry, The Nippon Dental University School of Life Dentistry at Niigata
2) Advanced Operative Dentistry-Endodontics, The Nippon Dental University Graduate School of Life Dentistry at Niigata

Ⅰ.目的

昨今、ユニバーサル色のコンポジットレジンが各社から販売されている。内側性窩洞のコンポジットレジン修復では、修復物色調の周辺歯質への同化は、いわゆるカメレオン効果として以前から認識されていたが、あえてユニバーサル色を作製する試みはなかったため、そのカメレオン効果に関しては不明な点が多い。本研究の目的は、コンポジットレジン・ユニバーサル色のカメレオン効果を色彩学的に評価することである。

Ⅱ.材料および方法

コンポジットレジンとして、オムニクロマフロー(トクヤマデンタル):以下OF、クリアフィルマジェスティESフロー・Low・Universal(クラレノリタケデンタル):以下CEおよびビューティフィル ユニシェード(松風):以下BUを使用した。セラミックブロック(ビタブロックス・マークⅡ、B3C)1つを各材料に割り当て、ブロックの各側面に間隔をあけて椀型窩洞(直径3mm、深さ2mm)を2つずつ、全側面で計8つ形成した。窩洞面にリン酸水溶液を塗布、スリーウェイシリンジで水洗、乾燥した後、ボンドマー ライトレス(トクヤマデンタル)を用いてメーカー指示に従い接着処理を行った。各コンポジットレジンは、分割積層法により窩洞の半分ずつを塡塞、光重合した。試料は、24時間水中保管した後、ソフレックスを用いて仕上げ研磨を行った(n=8)。ビタ イージーシェードⅤ(VITA/白水貿易)を用いて、試料のコンポジットレジン塡塞物の中央と塡塞部位以外のセラミックブロック側面を各々測色した。次に、それらの色差値を算出し、各コンポジットレジンのカメレオン効果を評価した。

Ⅲ.結果と考察

各塡塞物のL*値(平均±SD)は、OF:75.6±1.0、CE:77.9±0.4、BU:77.6±0.4、a*値は、OF:2.0±0.2、CE:1.1±0.1、BU:0.7±0.1、b*値は、OF:15.6±0.9、CE:24.1±0.3、BU:13.9±0.5であった。各塡塞物とセラミックブロックの色差値(平均±SD)は、OF:8.5±1.0、CE:1.1±0.3、BU:9.9±0.5であった。本実験では、CEのカメレオン効果が最も優れていた。OFとBUは、セラミックブロックと比較し赤味がやや強く黄色味が弱い傾向があり、カメレオン効果が得られなかったと思われる。

Ⅳ.結論

セラミックブロックを使ってコンポジットレジン・ユニバーサル色のカメレオン効果を色彩学的に評価した結果、材料によってその効果に顕著な差がみられた。

大会事務局

明海大学 保健医療学部 口腔保健学科 担当:金子 潤
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