6月27日(日) 11:10~12:30

審美補綴装置の色調再現性を高めるために

三浦 賞子 先生
(明海大学歯学部機能保存回復学講座歯科補綴学分野)

色調選択は歯科における極めて重要な審美的情報収集であり、正確な色調評価と確実な情報伝達が患者満足度の高い歯科治療を実現する。
近年、デジタル技術と接着技術の進歩によって歯冠補綴装置の材料選択の幅が拡大している。
CAD/CAM製コンポジットレジンクラウン(CAD/CAM冠)の保険適用は2014年の小臼歯部への始まり、その後上下顎第一大臼歯に拡大、そしてついに前歯部にまで適用が可能となった。
したがって今後、CAD/CAM冠の色調選択にはこれまで以上の厳密さが求められる。
またジルコニアにおいては高透光性ジルコニアの登場によりその適用範囲は前歯部にまで拡大し、陶材築盛せずにジルコニア単体でのクラウン・ブリッジの製作が可能となっている。
しかしながら高透光性ジルコニアは、二ケイ酸リチウムガラスセラミックスや陶材築盛したポーセレンレイヤリングジルコニアクラウンと比較すると、隣在歯との色調調和が難しく、時として高い審美性を求める症例への応用が困難となる。
さらに透光性を有するため、支台歯やセメントの色調が補綴装置に反映されてしまい、色調選択時のシェードと装着した補綴装置の色調が異なる場合も少なくない。

色調選択の方法は、シェードガイドを用いた視感比色法が一般的であるが、本法は主観的であり同一条件での評価が難しい。
一方で、歯科用測色器を用いた器械測色法は、歯の色を数値化して客観的に歯の色彩を表示することができ、確実な情報伝達および色調の客観的評価が可能である。
本講演では、器械測色法を用いた支台歯材料およびセメント材料の色の違いが、高透光性ジルコニアクラウン装着時の色調に及ぼす影響を中心にお示しし、明日からの臨床に役立つ内容を整理して提示したいと考えている。

【ご略歴】

2002年 岩手医科大学歯学部 卒業
2006年 東北大学大学院歯学研究科 修了
2006年 東北大学病院歯科咬合修復科 医員
2015年 東北大学大学院歯学研究科分子・再生歯科補綴学分野 助教
2018年 明海大学歯学部機能保存回復学講座歯科補綴学分野 講師
2020年 明海大学歯学部機能保存回復学講座歯科補綴学分野 准教授

【学会活動】

日本補綴歯科学会(専門医,代議員)
日本歯科審美学会(認定医,代議員,役員幹事,編集委員会委員)
日本デジタル歯科学会(代議員,編集委員会委員)
日本歯科理工学会(Dental Materials Senior Advisor)
日本接着歯学会(編集委員会委員,研究倫理審査委員会委員)
日本老年歯科医学会
International Association for Dental Research
International College of Prosthodontists

大会事務局

明海大学 保健医療学部 口腔保健学科 担当:金子 潤
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